私がよく読んでいるブログひっこみ思案を書いている方(id:hikkomiya)がバイオリン講師だそうなので、それで思ったことを。
「人間の精神を最も手っ取り早く効果的に揺すぶるのは、やっぱり音でしょう。ある種の音楽を聴くと発情するとか自殺したくなる、ということは実際にあるのよ。実行に移すか移さないかとなるとこれは理知の管轄で、気分にしか訴えない音楽の作用は期待できないけれど、気分に訴えるだけで大したものなのよね。」 ―
音楽というのは色々なところで耳にするが、若者が能動的に選んで聴く音楽については、ニコニコ動画の勢力がすごいと思う。
どれくらいすごいかというと、JOYサウンドの2013年年代別カラオケランキングを見るとわかると思う。

あなたの世代のヒット曲は!? JOYSOUNDが年代別ランキング(年間)を発表!! アニソン世代、ボカロ世代…世代別の特徴が明らかに!|株式会社エクシング
ミク、GUMI、リンの名前がある。
どれもニコニコ発の音楽である。
ランキング一位はやっぱり千本桜。
この「演奏してみた」の再生回数だけで62万回である。
ある中学生へのインタビューによると、ニコニコ動画を見ているのは6割くらい、千本桜を知っているのは8割はいく、という感触だそうだ。
2014年度の上半期ランキングでは、総合ランキングには千本桜しか入っていないが、下のほうを見ると、わざわざVOCALOID、東方系のランキングが別に設けられている。
すでにカラオケの1ジャンルとなっている証拠だろう。
2014年JOYSOUND上半期ランキング|JOYSOUND.com
ニコニコ動画というと、PCで見るのかと思う人もいるかもしれないが、部屋にPCがない子はスマホやニンテンドー3DSで見ている。
DSはすでに幼稚園~小学生、中学生のインフラとも言える存在。
それをネットに繋ぎ、自分の好きな動画を見ているのだ。
これも再生数がやばい。
ヴァイオリンタグの再生数2位。
ニコニコ動画の誕生は、内輪ウケの為の研鑽を惜しまない日本人にとって、画期的なできごとだったと思う。
なぜなら、再生数やマイリスでどれだけウケたかがわかり、さらにどんなポイントがウケるのかが、まさにそのポイントでコメントされるので、ますますウケを狙って研鑽を積めるというわけだ。
そして全体ランキングだけではなく、好きなアニメやジャンルと掛け合わせることで、小さな集団での有名人にもなりやすい。
ネットの普及で世界の頂点がいつでも見られるようになり、「ここまでは無理」と諦めるのが早くなるのでは、と思ったが、内輪ウケの日本では世界の頂点でなくても評価されるようになったのである。
悪くない。
ドラクエもヴァイオリン。
ヴァイオリンタグの再生数一位はてっぺい先生でした。
「演奏してみた」がジャンルとして確立したことで、あらゆる音楽があらゆる楽器で演奏されることになった。
和楽器。ものすごいプロの犯行。
ピアノ。マイリスを見ると、この人はトルコ行進曲にどんな思い入れがあるのだろうかと思う。
オーケストラ。人がたくさん集まるとこうなる。
無駄に洗練された無駄のない無駄な動き。こっちはぼっちだけど楽器がたくさん。
変化球で仏具。
ヴィオラだけ。
チェロだけ。
コントラバスだけ。
ニコニコの有名人、ヴァイオリン弾きの石川綾子さんの動画を貼ろうとしたらできなかった。
石川さんの「ボカロ「初音ミクの消失」を、ヴァイオリンで演奏してみた」は、「歌ってみろ」タグがついていた「初音ミクの消失」の高速の部分をしっかり弾いててすげー。
こういう人たちには、「演奏してみた」タグだけではなく、「演奏していただいた」タグもつく。
ちなみに小林幸子にも「歌っていただいた」タグがついたりする。
ラスボス幸子の初投稿はこれ。
その曲を好きな人だけじゃなく、同じ楽器を弾く人が、その楽器の「演奏してみた」を巡回して、ここがいい、ここが甘いとコメントしていく。
若い子たちはこうやって野に放たれ、自助的に訓練され、好き勝手に演奏を楽しんでいる。
ぜひ「演奏してみた」に自分の楽器をプラスして検索して、「投稿が新しい順」で並び替えてみて欲しい。
仲間がいっぱいいるはずだ。
コメントもお忘れなく。
楽器が演奏できるのって、うらやましいなぁ。
あと、上に出てきた演奏をしている人たちの中の数人は、ニコニコ超パーティのでかい会場で演奏してました。
生で演奏して、会場がうおーっとなるのは、きっとすごい楽しい。
歌も演奏もほとんどがニコニコのいちユーザーから出てきた人たち。
知らないで見ると、「学際?」程度にしか見えないと思う。
内輪ウケの、内輪の母集団がものすごい数になっていることを、その圏内にいない人はよく理解していないのではないか。
若者に関わる人には、ちょっと知っておいて欲しいなと思う。