「わたしたちの体は寄生虫を欲している」 ロブ・ダン
生き物に関する本も楽しい。
今日読み終えたのはこれ。
わたしたちの体は寄生虫を欲している (ポピュラーサイエンス)
- 作者: ロブ・ダン,瀬名秀明,野中香方子
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 単行本
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目黒の寄生虫博物館には行ったことがあるだろうか。
博物館としては狭いところだが、写真とか標本とかのインパクトはすごい。
サイトでは少ないながらもグッズも売ってる。
寄生虫封入ストラップとか、悪趣味な気もするが。
免疫システムが自分を攻撃してしまう病気について、寄生虫で治す治療があるという話題が出てくる。(未完成だが)
こういう病気は都会に多くて、未開の地には少ないことから、都会の環境の何かが原因なんだろうと考えた人が、寄生虫にたどり着いた話とかが書かれている。
清潔すぎる環境が、免疫の攻撃性を自分自身に向けてしまうというようなことだ。
確かに、都会の人の方がアレルギーが多いと聞く。
アトピーの友人が海外旅行した時は、空気の汚い国では悪化して、空気の綺麗な国では症状が治まったという。
そして空気が汚いところというのは、現在発展中で、まだ環境汚染対策が遅れている国の都市である。
東京の比ではない。
ちなみに、このアトピーの友人は後にプラセンタの注射で症状が軽減した。
どういう仕組みかは知らない。
ヒト由来のプラセンタ注射をしたことがある人は献血できないとか色々あるが、合う人には合うのかもしれない。
本書に出てくる病気は免疫システムが自分の消化器官を攻撃するというクローン病である。
27人が実験に参加し、24週で26名が良くなり、一人が寛解したという。
寄生虫を飲み込むというのはあまり楽しいものではなさそうだが、病気で日常生活にも支障をきたしている人も多く、チャレンジしてみる価値があると考えたのだろう。
そういえば治療に虫、というのはマゴットセラピー、つまりうじ虫で壊疽を治療するというやつがあって、それもそれで、できればお世話になりたくないが、そういう治療もある。
本書では虫垂、つまり盲腸の存在意義についても考察されている。
退化したものが残っているだけ、という説が広まっていたが、実は違うのではないかということが書かれている。
虫垂があるから、必要で多様な腸内の菌が保たれているのではないかと。
コレラのような病原菌のせいで腸内の良性の細菌が一掃されても、やがて虫垂に隠れていた菌が繁殖し、また元の環境が取り戻せるようにしているのだろうと。
おもしろい。
「わたしたちはつい最近まで獲物だった」
恐怖に関する身体のシステムについても説明されている。
人間と大型の捕食動物の歴史の大半において、わたしたちは間違いなく獲物であり、そのことが数百万年前に進化した脳内の恐怖モジュールを持続させ、人類が進化するにつれてより精巧なものになっていった。(中略)三億年にわたってわたしたちは「やめて!食べないで!」と叫ぶ動物だったのだ。(p163)
そしてこの恐怖モジュールというものも、捕食されなくなっても維持され続けている。
身体への直接的な脅威は減ったものの、間接的で漠然とした恐怖が増えた現代社会において、その恐怖モジュールが短絡的な反応を招くということがある。わたしたちは連日のように殺人のニュースを耳にし、あるいは国家予算とその結果について気をもむ。このような散漫な恐怖も、かつてトラが引き起こしたのと同じ反応を引き起こすが、その反応は慢性的に、毎日、少しずつ起きる。しかもこの恐怖は、解決ではなく、不安とストレスを生み出す。(p183)
やっかいなものだ。
本書のタイトルは寄生虫を前面に出しているが、寄生虫の専門書ではなく、おおらかな自然と切り離された人類について、さまざまな事例が書かれている。
味覚や体毛といった話題も出てくる。
マラリアで死なない代わりにソラマメが食べられない人たちがいる。
どういう仕組みなのかというのは本を読んで頂きたい。
どういう遺伝子が、どう選択されてきたのか。
なぜ体毛がなくなったのか、という疑問にもひとつの仮説が立てられている。
裸の哺乳類は少ない。
ヒトの他に有名なのは「新世界より」で有名なハダカデバネズミだ。
体毛がなくなったことで、皮脂腺が変化し、裸体に意味ができ、皮膚の色が多様化し、他の病気に罹るようにもなった。
その一方で、わたしたちは頭に生えた少々の毛を維持するために数百万ドルを費やし、脚の毛をとりのぞくためにさらに数百万ドルを費やしている。
今後はどういう特徴をもったヒトが遺伝的に残っていくのか。
残念ながらその結果を見るまでは生きていられない。
日本人として一番興味をそそられたのが「外国人恐怖症が病気を防ぐ」の章。
小さな集団で暮らしていたときは、新しい病気の多くは「よそ者」がもってくるものだった。
つまり、よそ者を避けていれば病気は防げるというわけだ。
こうして外国人恐怖症=クセノフォビアが文化に定着したのかもしれないと。
そしてそれは文化によって、個人主義と集団主義の違い(自分のためだけに行動するか、集団の利益を優先するか)として現れているのではないかという。
アマゾンの多くの集団では、ある人にとって家族や部族は、その人自身と同じくらい重要である。そのような文化は集団主義と呼ばれることが多く、自他の境界は、個人の間にではなく集団と集団の間に引かれる。そうした社会では、一人ひとりの創造性や個性などは軽視され、むしろ、良くないものと見なされる。
ここ、アマゾンじゃなくて、昔の日本だったりしませんかね。
個人主義と、それがもたらす欧米のヒーローやわがままな生物学者、ひいては民主主義などは、社会が病気の重圧から解放されて初めて、存在しうるものなのかもしれない。
日本にはそんなに伝染病が蔓延していたのか。
豚インフルエンザが潜在的な脅威として出現した時に、人々が取った行動。
メキシコでは、挨拶のキスをしなくなった。握手も拒んだ。飛行機は欠航し、特に感染地域からの便は取りやめになった。つまり人々は、他人との接触を断ったのだ。もちろん、子どもを抱きしめたり、夫や妻にキスしたりするのをやめたわけではない。ただ他人を避け、自分が所属する集団と最も親しい人々の安全を最優先するようになったのだ。
挨拶のキスも握手も文化としてあまり定着していない日本は、やっぱり病気の脅威にさらされていたに違いないw
挨拶のキスはお互いの匂いを嗅いで相手を判断するという説がある。
とまあいろいろな説があるのですが、土井的に一番しっくりくる説は、キスの起源は「におい嗅ぐ挨拶」という説です。
以前のブログ記事(においでセックスの相性がわかる!?遺伝子が求める理想の相手)にも書きましたが、私たちは嗅覚で、自分と相手の遺伝的相性の良し悪しを本能的に「嗅ぎ分け」ます。遺伝的に相性が良い(つまり、免疫情報の差異が大きい)場合は、相手のにおいを好ましく感じますし、そうでない場合は「くさい」と感じます。また、相手の気分や、健康状態もにおいで直感的に判断することも出来る能力が、私たちには備わっているようです。
(参照:恋人たちのバレンタインデー、キスの起源は「におい嗅ぐ挨拶」)なぜ人はキスをするのか?キスの起源から、キスの科学まで | オトコとオンナの豆知識 | オトコとオンナがもっと楽しくなるBlog by MICOTO CREATIONS
免疫情報の差異が大きい方が良い理由は、リンク先にこう記載されている。
では、生物として自分の遺伝子を効率よく残すには、どんな相手を選べばよいのでしょうか?
それは、自分と遺伝情報が遠い関係の相手です。
遺伝情報が遠い存在のほうが、自分の遺伝子が持っていない免疫などを持っている可能性が高く、
自分の子孫が生き残る可能性が高くなるからです。
(参照:遺伝的多様性 wikipedia)そして素晴らしいことに、私たち人間には(人間以外の生物にはもっと顕著だと思うけど)、
自分と相性の良い遺伝子を持つ異性を、嗅覚で判別する能力が生まれながらに備わっているのです!!においでセックスの相性がわかる!?遺伝子が求める理想の相手 | オトコとオンナの豆知識 | オトコとオンナがもっと楽しくなるBlog by MICOTO CREATIONS
病気の脅威への対応として、遺伝情報が遠い相手を嗅ぎ分ける挨拶を発達させた国と、よそ者を排除する文化を育てた国とでは、国民性が異なるのも仕方がないと思う。
また、無意識で病気を察知しているかという実験も興味深かった。
病気の人の写真を見ると、なんでもない写真や、暴力的な写真を見せられた人とは違う反応が出るという。
「なんか生理的にダメ」というのはこういうところから来ているのかもしれない。
結局、脳が病気かもと認識したもの(別に伝染病ではなくて、外国人や肥満とかの見た目が異質なものとかも含めて)に対して、身体的な反応があり、そこから正しい根拠のない嫌悪感が生まれてしまうことが、社会に大きな影響を与えているということだ。
それが民主主義の実現を阻んだり、戦争の原因にもなっているのではないだろうか、というところまでいく。
この本では最後に、身近に自然を取り戻す方法として、都会に立体的な農場「垂直農園」を造るという話が出てくる。
この計算も面白い。
ベランダでゴーヤを育てたり、プランターで生ゴミ堆肥作りしたりしてみるのもいいと思う。
「実は日本人が大好きなロシア人 在日ロシア人だからわかる日本人の素晴らしさ」田中建之
ロシア関連で読み漁ってる本の続き。
経済系の本ではおつきあいについては「なんだかんだ言ってもやっぱり不安」というような論調が多い中で、ロシア寄りの本がこれ。
色々なビジネス書を書いている大前さん。
本書では「日本の最良のパートナーとなり得るロシア」と、普段あまり耳にしない意見を読むことができる。
ロシアといえば、なんかこれまでの歴史が怖いとか、いろんな国とトラブルを抱えているとか、返せ北方領土とか、そんな色々なことがあるし、個々人としてもロシア人と知り合う機会は、例えば中国人とかと比べると格段に少ないと思う。
ということで、お隣さんという意識もあまりないけど、そういう先入観を取り除いて考えてみてはどうか、ということを提示している。
ロシアについて認識しておくべきこととしては、まずは天然ガス・石油のある資源国だということ。
そして教育水準がBRICs諸国の中でもずば抜けて高いこと。
あとはプーチン氏が日本文化(柔道)が好きなこと。
そして一般人も日本人が好きらしいということ。
不思議なことに、一般のロシア人も無条件に日本のことが大好きだ。日本の製品があれば最優先で買い、「オタク文化」をはじめサブカルチャーまで愛してくれている。これほど無条件に日本のことを好きなのは、世界の中でロシアとインド、そしてトルコくらいなものだ。(p16)
プーチンが柔道をやっていて日本好きというのは有名で、こんな本もある。
「講道館に来ると、まるでわが家に帰ってきたような安らぎを覚えるのは、きっと私だけではないでしょう。世界中の柔道家にとって、講道館は第二の故郷だからです。日本の柔道が世界の柔道へと発展していくのはたいへん素晴らしいことですが、われわれにはもっと注目すべきことがあります。それは、日本人の心や考え方、そして文化が柔道を通じて世界に広まっていくことです」(p11)
そしてこれも有名な話だが、引用しておく。
プーチン氏は、講道館館長から贈られた六段の紅白帯をその場で締めることを丁重に辞したうえ、こう言葉を続けました。
「私は柔道家ですから、六段の帯がもつ重みをよく知っています。ロシアに帰って研鑽を積み、一日も早くこの帯が締められるよう励みたいと思います」(p11)
そして食事の席でのこういう発言もある。
日本とロシアのあいだには、前々から難しい問題があります。でも、これ以外に問題はありません。これ以外の問題をつくろうという気持ちもまったくありません。だから何も心配しないで下さい。安心してください。両国が知恵をしぼってこの問題を解決できたら、日ロの間には問題が何も存在しなくなります。さあ、乾杯しましょう」 (p24)
この本はもちろんプーチン寄りの本だが、学校占領事件のことも記載してある。
学校占領事件とは、この件である。
ベスラン学校占拠事件(ベスランがっこうせんきょじけん)は、2004年9月1日から9月3日にかけてロシアの北オセチア共和国ベスラン市のベスラン第一中等学校で、チェチェン共和国独立派を中心とする多国籍の武装集団(約30名)によって起こされた占拠事件。
9月1日に実行された占拠により、7歳から18歳の少年少女とその保護者、1181人が人質となった。3日間の膠着状態ののち、9月3日に犯人グループと治安部隊との間で銃撃戦が行われ、治安部隊が建物を制圧し事件は終了したものの、386人以上が死亡[1](うち186人が子供[2])、負傷者700人以上という犠牲を出す大惨事となった。首謀者はチェチェン人のシャミル・バサエフ。
(中略)
突入時の状況
人質は、約1000人がバスケットコート1面分くらいの面積しかない体育館に「すし詰め」状態だった。このため、館内は蒸し暑く、救出時には上半身裸の人質の姿が多く見られた。また、救出されるまでの50時間以上もの間、食事もなく水も与えられなかったため、衣服に尿を染み込ませ飲ませる親もいた。
また、自分の子供を人質に取られた親が、銃器を持ち現場に入り込んでおり、治安部隊の突入時には、逃げ出す人質と相まって、現場は大混乱に陥った。また、この混乱に乗じて犯人グループの何人かが、人ごみに紛れて逃げようとしたが、群集に取り囲まれて虐殺された(虐殺は極めて凄惨で、親達は犯人の四肢、あるいは首を切断。肉を引きちぎっていたという情報もある)。犯人グループの1人が拘束された。
テロリストからの要求を呑まずに結局武装部隊の突入となり、多数の死者が出て、国内では相当批判された。
さて、元の本に戻る。
本書では、
日本人は相変わらず北方領土問題に引っかかって、冷戦のパラダイムのままのロシアのイメージを引きずっている。レーガンの唱えた「強いアメリカ」に違和感がなくて、プーチンの唱える「強いロシア」に反発する、という大多数の日本人のメンタリティは、やはり戦後六〇年続いた「対米一辺倒」と「米ソ冷戦」の産物である。(p17)
として、日本人の凝り固まった先入観に警告を与える。
いかに日ロ関係が可能性に満ちていても、こんな状態で足踏みをしていては”時すでに遅し”ということになりかねない。日本人は古いパラダイムのままで「ロシアはけしからん」というのではなく、ロシアの真実の姿を知り、メンタル・ブロック(心の壁)を解いて一刻も早く新しいロシア・パラダイムへの転換を図らなければならないのである。(p19)
タイトルとなっている「ロシア・ショック」とは何か。
ロシアを奇跡的に復活させたプーチンは、四年間は表向きはメドページェフに大統領の座を譲るものの、四年後には大統領に返り咲き、その後二期八年間務めると私は読んでいる。つまり、実質的には今後十二年間、二〇二〇年まで彼はロシアの権力者として「強いロシア」の復権をめざして君臨するだろう。その間に、ロシアはさらに変貌し、政治的にも経済的にも世界に大きな影響を与える存在になっていく。それは世界にとって、まさに「ロシア・ショック」と呼ぶに相応しい大きな衝撃となるはずだ。(p18)
この予想は的中どころか、大統領の任期が6年になったので、もっと長いこと大統領に留まることになりそうだ。
大統領職再登板(2012年~現在)
2012年5月7日、クレムリンで行われた就任式典を経て正式に大統領に就任した[47]。2008年の憲法改正により、今任期から連邦大統領職の任期が6年となったため、任期満了は2018年となる。また、仮に次期大統領選挙に出馬・再選された場合には、2024年まで在任することになる[47]。
政治の偉い人がころころかわる日本では考えられないことだ。
すぐかわるのが悪いかといえば、必ずしもそうとは言えなくて、国民がそれなりに選ぶ自由があって、問題があればすぐに交代させられるというのは、実質的にトップを国民が選べない国とか、よっぽどじゃなければ何年も交代させられない国とかよりは柔軟でよいと思う。
勿論ベストな状態だとは言えないが。
そしてプーチン人気について、ロシア国民が彼の姿に「強いロシア」のイメージを重ねていることも理由のひとつだとあげている。
確かに、こういう姿を写真に撮らせるような政治家には、票が集まってもおかしくないと思う。
政治家はイメージが大切だ。
プーチンが何をどう変えたのか。
色々あるが、おおーと思ったのは累進課税を廃止してフラットタックスを導入したというところ。
これでマフィアに打撃を与えたという。
どうやって、の部分は本を読むべし。なるほど、と思う。
また、ロシア人のライフスタイルも変化してきているらしい。
若者はウォッカよりビールを飲み、女性も中年になっても、いわゆるあのものすごく豊満な体型になったりする人が減ったらしい。
ロシア人「伝統的な純血ロシア美女の画像をご覧下さい」 【画像23枚】 : 世界の憂鬱
別荘も立派になって、お庭でバーベキューをしているとか。
いいなぁ。
ロシア人はプーチンを尊敬する一方、恐れてもいるという。
思想の自由を認めずに粛清というのではなく「ロシアという国家を良くしたい」というプーチンの思いに逆らって、お金や利権をかすめ取ったり、私利私欲のためにプーチンの長期計画に協力しないような人間を粛清するということだろう。 最大多数の最大幸福を見て、情け容赦なく叩かなければならない奴がいたら、叩いてしまう。それはツァーリ(皇帝)時代からのロシアの伝統なのである。」
ロシアはやっぱり恐ロシアなのか。
ちょっと意外だったのは、
広大な国土に比して人口は少なく、日本よりやや多い一億四一九〇万人(二〇〇八年六月時点)程度。
という点。
確かに人が密集していなそうな地域は多いけど、日本と比べられるほどとは。
モスクワの人口密度は高いようで「中心部は渋滞が激しく、「世界最大の駐車場」と揶揄されるほど」だとか。
日本の首都高速駐車場よりひどそう。
BRICsの中でロシアが特異なのは、その進学率の高さ。
「ロシアの第三次教育への進学率は実に七二%。それに対してブラジルは二五%、中国二二%、インドは一一%にすぎない」という。
IT分野における人材の絶対数でも、インドの八分の一の人口しかいないロシアに、インドと遜色ない毎年約二〇万人の大卒のIT人材が輩出している。
そして、この進学率の高さや国民全体の知的水準の高さから、ロシア全体が同じような生活レベルの社会になり得ると著者は言う。
他のBRICs諸国には”見捨てられた層”がいるが、ロシアは中間所得層を形成しやすい環境がある。
そして宇宙技術、軍事技術はアメリカと競ってただけに優秀である。
なるほど。
そして、ロシア全体の購買力についても期待があるという。
なにせ、お金もない、買うものもない(そもそも売ってない)というような時代が長かったので、ここぞとばかりに消費に走っているという。
まだ家電や車が一般家庭に十分に普及していないというから、これはチャンスではないか。
そういえば欧米ではお湯で洗濯するというのはご存知だろうか。
聞いてビックリ!! ロシアの家事事情~洗濯編~ | マイカジスタイル
現代日本では除菌といえば洗剤だが、熱湯で洗い、アイロンをかける(いわゆる熱消毒)というのが一般的。
熱湯で洗えば洗濯槽のカビなんかも発生しにくいだろうに。
日本でも普及しないかな。
この本にはあと5枚以上付箋をつけていたが、抜書きしてたら終わらないので、ここでとめておく。
終章の北方領土についての意見は、普段あまり目にしないものだ。
私はこれも悪くないと思う。
やっとタイトルの本にたどり着く。
本書はロシアでの日本人気についての記述で始まる。
続いて日本でのロシアの扱いについて触れる。
韓国や中国に関する書籍はたくさんあるが、ロシア関係の本は学術書やクラシック文学(ドストエフスキーやトルストイ)、プーチン政権に関する政治的な本ばかりであると。
宗谷海峡を向かい合う、北海道の稚内とサハリンとの距離はわずか四十二キロメートルであり、日本本土の福岡市に一番近い外国といわれている韓国の釜山市までの距離が、福岡市から鹿児島市の距離に匹敵する二百キロメートルというのに比べて遥かに近い。
ところが、日本人の意識の中には、隣国という場合には韓国か中国であり、ロシアが隣国だと意識している日本人が少ないのが現状だ。(P4)
確かに、隣国という意識は薄い。
ニーハオ、シェシェとか、アンニョンハセヨ、カムサハムニダは聞いたことがあっても、ズドラーストヴィチェ、スパシーバあまり聞いたことがないかもしれない。
上のはどれも、こんにちはと、ありがとうである。
どうでもいいけど「ロシア 結婚」で検索すると、ロシア人美女との国際結婚の紹介サイトがいっぱい引っかかる。
あまり裕福でないアジアの国から嫁さんを買ってくるというサイトが多いが、ロシアとその周辺国も多い。
金の力で引っ張ってきても日本の文化に溶け込めるのか心配だ。
さて、この本は在日ロシア人からの聞き取りとかインタビューとかそんなんで構成されている。
ビジネスをしたり、ネットで活動している人も多いので、関連リンクを。
- 実は日本人が大好きなロシア人 | Facebook
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日露善隣協会 - Общество российско-японских добрососедских отношений"Роничи"
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母語を忘れない | ロシアNOW(ロシア語幼稚園の記事)
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Medical clinics serving the foreign community for 60 years 外国人診療を60年続けているクリニック
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貧しい患者からはお金をとらない インターナショナル・クリニック院長 エフゲニー・アクショーノフ WEDGE Infinity(ウェッジ)
モズジェチコフ氏の在日ロシア人コミュニティー”ロシアンクラブTOKYO”は検索しようとしてもロシアンパブの検索結果ばかり出てくるのであきらめた。
NHKみんなのうたで知られたエカテリーナさんのページにはこうある。
日本に来たばかりの時、コンサートに来てくれたお客さんは、戦争が終わった後でロシアに連れて行かれて、シベリアでラーゲリに入れられていた人が多かった。よく来てくれた。でもそういった人は、ロシアを恨むんじゃなくてロシアが好きな人が多かった。
なぜ、ロシアが好きかというと、シベリアにいた時、ロシアのお婆さんが食べ物をくれたり、暖かいお茶を入れてくれたりとても親切に優しくしてくれたって話してくれた。(p36)
この手の話は、いいものだ。
ロシアNOWのブリレーフスキー氏のところにはこう。
ロシア人の多くは、日本人を尊敬している。なぜならばと言うとね、日本には資源がないでしょう。そんなに資源がなくても生活水準が世界でもトップレベルで立派にやっていける。羨ましい。尊敬しなくてはいけないね。(P82)
ニコニコ動画のタグにも海外の反応シリーズというのがあるが、こういう違う視点からみた日本のいいところというものを読むのはいいものだ。
もちろん、あえて苦言を呈するが、という文章もあるがそういうのも含めて愛情を感じる。
この本を作った人は、よっぽど日本とロシアの関係を良くしたいのだろう。
こう話す人もいる。
日本とロシアの関係が良くなったら、それはアメリカにとっていいことではない。だからアメリカは日本政府に対して、北方領土の問題をとってもプッシュしている。日本の保守派の政治家たちもバカではないから、色々なことを考えているよ。
こういう政治家たちの中には、日本が中国と本当に大きな危機が起きた場合には、アメリカが実際に日本を守ってくれるという保障が、百パーセントではないと思っている人も少なくないね。彼らは、もっとロシアと良い関係にあったらいいんじゃないかと考えている人もいるよ。
日露関係が本当によくなるためには、アメリカのプロパガンダにのって、ロシアに対して、何かにつけて感情的に北方領土を返せ返せと騒がないほうがいい。(p88)
なんか、あまり面倒なことには巻き込まれたくないですね。はい。
こういう本を読んでいて、日本の良い点、悪い点にあげられるのは、ルール通り、というヤツである。
規則通り、マニュアル通りというのは個性も発展性も融通もなくイマイチであるという話がいっぱいある一方、それが安心・安全の信頼性へと繋がっているというものだ。
がっちがちのルールの中で身内受けだけの為に工夫したり洗練したりしていく日本人の国民性は好きである。
少数の、既存のルールをぶち壊してまったく新しい発想をする人がいて、大多数の人がルールの中で安心安全に暮らそうとする日本。
悪くないと思う。
信頼コストというのは削減するのにすごく時間がかかるし、難しい。
ルールの過剰さは問題ではあるが、その他国との差異が日本の付加価値になっていると思う。
「真面目系クズ」の検索結果とか見ると、残念なことになってるなとも思うが。
あ、面白いもの見つけた。卒論らしい。
ロシアにおけるオタク文化の発展、変容と今後の展望(PDF注意)
ロシアの本はもうちょっとあるけど、とりあえず今回はここまで。
ロシアのマトリョーシカ (SPACE SHOWER BOOks)
- 作者: スヴェトラーナ・ゴロジャーニナ,有信優子
- 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: 大型本
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岡山県の中学生弁論大会のgoogle検索結果を読む
中高生向けの弁論大会の記事を書いてから、アクセスが継続して伸びていて、「必 死 だ な w」と微笑ましく見ております。
ともかく最初にアフェリエイト貼っとく。
現代ラノベ読みで読んだことがない人はいないと思うけど。
ストーリーを云々する気はないが、この本の会話のテンポは素直にすごいと思う。
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ブログツールの忍者アナライザーというのを使っているので、都道府県単位であれば、どこからアクセスしてきたかが見られる。
で、ここ1ヶ月のアクセスは1位東京、2位岡山、3位愛知である。
たぶんこの地域で弁論大会があるよという発表が既にあったのだと思われる。
ということで、各地域の弁論大会について検索してみた。
東京はアクセスが「区」単位で見られないので検索しにくいから、岡山を。
岡山県中学校弁論大会というものを、県中学校国語教育研究会、山陽新聞社が主催しているらしい。
おっと、さっそく最近弁論大会用の原稿を書かされているところを発見。
倉敷天城中学校では、毎年6月に全学年で「弁論大会」を行っています。現在、生徒は一生懸命に弁論の原稿を作成中です。1年生は初めてということもあり、少し苦戦していましたが、友達と話し合ったり、積極的に先生に相談しに来たりしてくれました。1年生は来週の6月5日(木)に弁論大会の予選を行います。自分の意見を堂々とみんなの前で話すことができるよう、頑張っていきましょう!
学校HPに過去・現在の校内弁論大会の情報が出てる学校はたくさん。
伊里中学校は行事の記載のみ。
10月 チャレンジワーク14 中間テスト 生徒会役員選挙 校内弁論大会 合同避難訓練 市弁論大会
建部中学校。
御津郡弁論大会 校内弁論大会の代表者3名が郡大会に参加した。他の生徒は、郡内3中学校の代表者の弁論を聞き3中学校の親睦を深めた。
岡山教育事務所管内中学校
哲多中学校は写真入り。
校内弁論大会を行いました!
就実中学校も。
[2013/10/25]
10月24日(木)、進学コース1~3年生の校内弁論大会が行われました。夏休みの宿題として各自が作成した意見文を、それぞれのクラスでお互いに読み合って、クラス代表を決めました。
あ、面白いのみつけた。
議長交際費 平成25年9月分
平成25年9月27日 3,150円 第61回岡山市中学校弁論大会(賞品)
3000円の賞品ってなんだろう?
議長賞ってこれ?
岡山市中学校弁論大会で岡山市議長賞を受賞しました!! | 山陽女子公式ブログ
支部選考会っていうのが先にあるのかな。
☆国語弁論
①第1回倉敷高校杯夢がたりスピーチコンテスト最優秀賞
「笑顔の力」 佐川 日向(庄中3年)
②第57回水島港まつり協賛中学生弁論大会
兼岡山県中学校弁論大会倉敷支部選考会 金賞
「私たちの手」 田渕 日菜(庄中3年)
③第35回少年の主張 岡山県大会
「流れる時間」 菱川 まりな(庄中3年)
ちなみにリンクの記事によっては発表されたタイトルが載ってたりするので、どんなテーマにするかまだ迷ってる人は参考にするといい。
校内選考もたいへんみたいね。
今日はせりの中学で、弁論大会がありました
ちょっと古いが弁士本人が書いてる記事もある。
当日の朝はのどの調子があまりよくなくて、しかも練習では時間内に弁論が収まりませんでした。
何度練習しても5分をオーバーしてしまう。
こんなことは初めてでした。
でも、いくしかない。
不安と緊張に駆られながらも朝の会だけ出て、岡山市へと出発しました。
やっぱり緊張するよなぁ。
高校でもあるのか?
高校で弁論大会があります。
テーマは「食」です。(略)
君、岡山県に住んでいるんだっけ?
もしそうならば、テーマは食だけど、サブタイトルは「岡山県の食文化」みたいな感じで、(略)
なお、なんで回答者が「岡山県に住んでいる」って知ってるんだろうと思ったら、質問者の他の質問を見たのかもしれないと思った。
あと、こんなデータもあった。
引用元は「環境行政によって環境はよくなったか? 岡山大学環境管理センター 伊永隆史・加瀬野悟」(pdfダウンロードします、注意)
そこで,身近な情報源として,今年6月に岡山市立の某中学校で作製された学級弁論大会の要旨集から,「中学生の眼で見た環境に対する評価」を拾ってみた(図1)。すると,驚くべきことに男子生徒は24名中19名,女子生徒は20名中4名が,この弁論大会で環境問題を取り上げているのである。これは同時に取り上げられた校則(5),戦争・平和(4),受験勉強(4),交通事故(2),福祉(2),その他(4)などの問題に比べて,際だって高い割合を占めており,自分達の住んでいる地域環境の保全・保護について,現代っ子の代表格である中学生が身近な問題として感じていることを大変よく表している。
中学生の取り上げている環境問題は,まず瀬戸大橋で問題となった騒音に始まり,水質汚濁,大気汚染,ゴミ処理と幅広いが,特に自然保護の観点が随所に見受けられる。このように,自分達の周辺環境にも眼を向けようとする態度は,自然に恵まれていた我々の世代には思いもよらなかったことであるが,高度先端といわれる科学技術時代の到来により,次世代に残してやるのにふさわしい自然環境を取り戻すことはもう難しくなったと言わざるを得ないのは本当に寂しいことである。
生まれたときからエコが当然みたいな世代だから書きやすいとは思う。
ネタかぶりしてもそんなに問題なさそうだし。
お、弁論大会の動画があった。下のYoutubeへのリンクからどうぞ。
いよいよ明日!岡山市中学生弁論大会 | 「情熱の湯 清心温泉」 公式ブログ
〝奇跡の復活銭湯〟として全国にその名を轟かせる岡山市の「清心温泉」、
そのイメージビデオがYoutubeにアップされました。
銭湯の素晴らしさを熱く語った中学生・小島颯太くんの弁論大会岡山県優勝の様子も収録されています。
どうぞご覧ください。
Youtube清心温泉
清心温泉 HP
ニコニコでは弁論大会動画は全然なかったけど、話し方の参考になるものがあった。
あと関係ないけど、今着てるTシャツの脇に穴が開いているのに気づいた。
これでさっきコンビニに行ったのに。
最後に山陽新聞の記事。
優勝したりすると記事になるのか。
2009/12/4 私たちの主張 岡山県中学校弁論大会から 私って… 山陽新聞 - AMDA(アムダ)
1995/11/27 わたしの意見 岡山県中学校弁論大会から 人間らしく生きるために 県中学校国語教育研究会長賞 岡山・芳泉中2年 荒磯真紀さん 山陽新聞 - AMDA(アムダ)
岡山の弁論大会に詳しくなった。
わりとどうでもいい。
昔読んだ本。春菊さんの自伝的なやつ。
帯の年齢が中学生なので貼ってみる。
積んである本
今日の読書。
プーチンの本がなかなか進まず、他の本をつまみ読み。
上の本にイギリスの飯マズの原因についての面白い記述があったのでメモ。
ちなみに上流階級の奥様は子どもを産むと、そのあとは胸の形が崩れるので、極力授乳をしなかった。また上流階級の家の息子は労働者階級や農民の娘にお乳を与えられたため、成人するとそうした下の階級の人間と同じような食べ物を欲しがるとの説もある。それがイギリスの上流階級の食事を貧弱にした原因だという人がいるが、逆に粗食でも平気だったので、植民地へ出かけても生きていけたと、賞賛する向きもある。
(p58)
「しょ、賞賛されていたのか! 」という感想を抱いた。
あと、うちにも執事がほしい。
現在積んである本をメモしておく。
既読。パリの日本人な話。漫画。
好きなエピソードは「ガイジンの女は動きが粗くてザッパだ」
パリ行きアエロフローと航空機内
ロシア人のスチュワーデスのお姉さん達が飲み物をサービスしてくれます
ドブドブド バキ ポイ
ガンッ ガラガラ ガン
バキン ベコン ガン
「てな感じでロシアの大女は動きが大きくて雑だと思ったよ
もっとしんなりやれんのかい」
「それはお前が日本人だからそんなことを思うのだ」
あと、クラブにて日本人二人で、
俺達ってさあフランス人の女にとって透明人間っていうか
この椅子とかテーブルみたいなもんだよね
とか話してる場面も好き。
著者のプロフィールにあるリンク
未読。
既読。フィリピンでお金を使い果たしちゃって帰れなくなった日本人の話。
ノンフィクション。
教会とかで寝泊りして、人の手伝いなんかをしてなんとかご飯を食べたりしてる。
陽気なフィリピーナにはまったりしているうちに、そんなんになっちゃった感じらしい。
フィリピンの女の子は大抵陽気で笑顔がかわいい(と勝手に思っている)。
なので私も好きだし、はまるのはわかる。しかも日本より緩くて暖かい印象もある。
在フィリピン日本国大使館の職員はある時、こう語った。
「フィリピンでは気持ちが緩むことはある。例えばイギリスに行って同じような気分でいられますか。ほかの外国で同様の意識で生活できるのかと。イギリスに1年間行くとなれば色々な準備をしていくはずで、フィリピンの場合は海外で生活するというリスクの意識が薄いんです。今一度、海外に来る危険性を考え直してほしい」
邦人擁護を担当する立場からの切なる願いだ。
(p186)
こういう本を読むと、衣食住に困らない生活をしたいと思う。
著者のブログはこちら。
未読。
面白いほどよくわかる世界の王室―激烈なるヨーロッパ中世・近代史を読み解く (学校で教えない教科書)
- 作者: 鈴木晟
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
未読。
未読。
既読。
なんか他の国の人がかなり日本の土地を買ってるとか聞くので、その手の本を探してみたが、他に良い本があれば紹介してもらいたい。
図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 (ふくろうの本/世界の文化)
- 作者: 村上リコ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/06/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 8回
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既読。
未読。
既読。皇室のビジュアル系ムック。
佳子さまの写真が超かわいい。(p76)
迎賓館赤坂離宮観に行きたい。(p96)
ハンドルを回して8枚の団扇で涼風を得る、手回し扇風機がなんか豪華。(p98)
画像を検索したが出てこないので、見たい人は本を参照。
既読。
面白かった。
未読。
既読。
これについては、また後ほど。
20140616放置してたらずいぶん日にちが経ったのでとりあえずup。
「いま資産を守るためにいちばん大切なこと 大恐慌を読み解く10の真実」増田悦佐(2012年)
ヘタリアから、ヨーロッパやロシアに興味を持って歴史の本を読み漁ったが、その後だんだんと現代の本も読むようになってきた。
その中でEUの財政危機などの話が出てきたのでそっち関係も読んでみることにした。
最初に手にしたのはこれ。これも2012年の出版。
著者が欧州の「金融危機ツアー」をした記録である。
アイスランドさんがなぜ破綻したのか。
この例え話に出てくるのが「猫を十億ドルで売り、犬を十億ドルで買う」だ。
友人同士で、お互いに十億ドルの価値がある(と二人で決めた)猫と犬を売買しあうことで、お互いに十億の資産持ちになるというものである。
猫と犬じゃ笑い話だが、これが金融商品になると大変だ。
それまで主だった漁師という職業が、ギャンブル的な要素を持っていたから、同じくギャンブル的要素の強い(というかギャンブルそのもの)の金融に手を出したらどうなるかという。
アイスランド男の気質についても書かれていて面白い。
ギリシャさんがなぜやばいのか。
公務員がたくさんいて(しかも民間企業の三倍の給与)働かないなどとニュースになったが、うん、ひどい。
非効率と横領がはびこり、帳簿がない国。
帳簿もレシートもないから、税金も徴収できない。
著者は「ギリシャ人ひとりひとりはとても付き合いやすい。陽気で、温厚で、頭の回転が速く、協調性に富む」と個々人のことは褒めながら、ギリシャ人同士のお金とか資産のことについては「完全なまでの相互不信」とまで言っている。
脱税は「もはや国民性みたなもの」、「ギリシャ国民には税金は払うべきものだという意識がない。払わなくても罰せられないのだから」、こう発言するのは、しっかりと徴税しようとして降格されたという不幸な税務官である。
借金して、返せなければ踏み倒せばいい、という雰囲気の国ってすごいな。
そしてドイツさん。
「第四章 ドイツ人の秘密の本性」という扉ページには、こう添えられている。
危機に陥る欧州諸国の中で、ドイツだけが頼みの綱だ。ここにおいてドイツ人はギリシャ人の放蕩の付けを勤勉な自分たちが支払わなければならないのかという問いに直面する
この章は面白い。
何が面白いって、ドイツ人が「糞」の入った言葉を潤沢に使っているという記述に多くの段落を費やしていることだ。
ドイツ人の行動様式は色々研究されているらしいが、その中で人類学者ダンデスが書いた「鳥屋の梯子と人生はそも短くて糞まみれ」という本を著者が読んだらしく、ドイツの民謡や民話、ことわざ、通語などに、糞・泥・肥やし・けつへの言及が著しく多いということに興味をもったらしい。
「ぼくのかわいい糞袋」という親愛の情の表現、「わたしは熟した糞であり、世界は巨大な肛門である」「糞便に思いを馳せるのは、この上ない贅沢だ」「糞野郎」という有名人の台詞などから、「すなわち、清潔さと汚さの組み合わせだ。清潔な外面と汚い内面、清潔な体裁と汚い実情――この二律併存は、ドイツ人の国民性に深く根付いている」というダンデスの分析を載せている。
「ドイツ人は糞の近くに寄りたがるが、中には踏み込みたがらない。これこそ、現在の財政危機におけるドイツの立場の、まさに卓抜な描写だと言えないだろうか。
さて、欧州の中でのドイツの立場である。
簡単に言うと、踏み倒し系国家が多い中で、唯一の「借りたものはちゃんと返すのが当然」というルールで動く国だ。
ドイツ人のルール好きは聞いたことがあるが、どの本にもルールは守るのが普通で当たり前だと思っている、というようなことが書いてある。
個々人とか場面によっては違うかもしれないが、国民性として、という話である。
たぶん日本も国民性としては「普通で当たり前」と思ってる。
ドイツは日本と仲良くなればいいと思うよ。
ドイツといえば、ということで平行して読んでいた本を紹介。
真似したいインテリア・ライフスタイル ドイツ式 心地よい住まいのつくり方
- 作者: 門倉多仁亜
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/03/22
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著者の多仁亜さんは「料理研究家。ドイツ人の母から受け継いだドイツ流の暮らし方をもとに、独自のシンプルライフを提案」している人。
インテリア・ライフスタイル系の本も多い。
上の本は著者が鹿児島に建てた家が紹介されている。
元の本に戻る。
ドイツの国旗を目にした通訳兼運転手の女性がこう言う。
「『愛国心は』と、シャルロッテ。『いまだにタブーなの。「ドイツ人であることを誇りに思う」という発言は、政治的公正さを欠いていると見なされる』」
図書館でドイツの歴史の棚に行くと「ホロスコート」関係の書籍がそれ以外の歴史書を圧倒している。
日本も「愛国心」が長いこと封じられてきたが、最近はだいぶ持ち直していると思う。
コレに関しては、今度この本を読んでみたいと思っている。
内容紹介
「あなたは日本のことが好きですか?」。そう問われて「日本のことが好きだ」と言える日本人はいまや少なくないだろう。だが、ほんの少し前の時代を思い出してほしい。「愛国心」と口にしただけで「ナショナリズム」「右翼」という言葉が返されなかっただろうか。「日本はダメだ」。メディアや評論家はそう繰り返し、人びとは無意識に「日本嫌い」を刷り込まれた。どこかで自国が素晴らしい国だ、と気付いていたにもかかわらず。
他国を見渡せばどうだろう。米国人も、中国人も、すべからく人びとは自分の国を愛し、その国民であることに誇りを持っている。そのなかで、どうして日本だけが「日本が好き」ということすら、言うことが憚れる社会であったのか。竹田氏は言う。「それは、日本を愛することが禁止されたからです。戦争に負けるというのは、そういうことなのです」。(amazonの紹介文より抜粋)
愛国心とかそういうのの間違った例として「ネオナチ」なんかがあるが、日本でスキンヘッドしてもなんとなくお坊さんな感じになるのではないかと思う。
スキンヘッド (Skinhead) は、反体制的な思想を持ち、意図的に剃髪した団体のことを指す[1]。但し、日本においては単に頭髪を全て剃り上げた流行のスタイルおよびその「頭」の意味で用いられることも多いが、英語本来の意味とは異なる誤用で、単に悪口でハゲと言う人もいる。
もともとこの髪型は黒人運動や反体制の象徴であったが(SHARP、RASH、ARAといった団体がこれらを継承させている)、異民族に暴力行為を働くネオナチにこのスタイル(+野戦服の上着にジーパン姿、靴は軍用半長靴)を好む者が多いため、近年では極右・ネオナチのシンボルとされている。こうした若者集団を「スキンヘッド(skinhead)」(複数形でスキンヘッズ skinheads)と呼ぶ。
スキンヘッドするより、みんなでティアンドル着ればいいのに!
amazonで買おうとするとこうなる↓
で。
この本は最終章を「第五章 あなたの中の内なるギリシャ」として、ブーメランが帰ってくる先、つまりアメリカについて書いている。
小見出しを抜き出してみるとこうだ。
- アメリカの中のギリシャはどこか
- シュワルツェネッガーの回想
- サンノゼの図書館は週休三日である
- 消防士と警官が半分になった街
- 太った雉は飛べない
- 消防士は語る
アメリカも既に大変なことになっている。
以前からアメリカの貧困問題については話題になっているが、それにしても公共のものまで運営できなくなるほどとは、ひどい。
読んだことのあるアメリカの貧困の話はこれ。
あとこっちも。
- 作者: B.エーレンライク,曽田和子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/07/28
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ついでに日本の貧困問題の本もついでに貼っておく。
貧困にある子どもの教育をなんとかしたい。
ということで、上の本は読了。
本が2012年以前とかちょっと古くて、今現在の状況とは変わっていると思うので、そのうちもう少し新しい本を探して読むつもり。
さて、タイトルの本にとりかかる。
いま資産を守るためにいちばん大切なこと―大恐慌を読み解く10の真実
- 作者: 増田悦佐
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/01/28
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先ほどの本は欧米人の書いた欧米の本だが、
これは日本人が書いた本である。
欧米に対して辛辣で、日本が好きなんだろうなという本。
でも面白かった。
はじめに、にはこうも書かれている。
知的エリートにいいように引きずり回されている欧米諸国と、知的であるはずのエリートが無能なのでうまくいっている日本との対比も考える。(p2)
ユーロ圏については「まちがいなく解体する」と断言。
どの本もそんなことを書いているので、今後どう動いていくかは注視に値するだろう。
自分たちの稼ぎよりぜいたくな暮らしをすることで赤字続きになっている国が、その赤字のツケを自分達の稼ぎよりつつましく暮らしている国に払わせれば世の中はうまくいくという、おそろしく身勝手な主張だ。他国の負担で棒引きにすることができるとなれば、経済力の弱い国はまっしぐらに借金の拡大に走るだろう。(p15)
ドイツさん……
そして繰り返し述べられるのがヨーロッパ人に根付いている考え。
ヨーロッパ人には、「自分たちこそ全世界のご主人様で、他国の連中は下男下女にすぎない」と思い込んでいる連中が多い
とか、
第二次世界大戦後、植民地の大半を失ったヨーロッパ諸国の国際経済における地位は大幅に低下した。当たり前だ。植民地の利権と、その利権がもたらす金利収入で、「利口な人間は手を汚さずにぜいたく暮らしができる」という人生を、約一〇世代二五〇~三〇〇年にわたって送りつづけていれば、もともとはそうとう実直で勤勉な連中だったとしても、芯から腐っていく。その利権の源泉を取り上げられてしまえば、落ちぶれるのが当然なのだ。
だが、彼ら高慢が身についてしまったヨーロッパ人の描く自画像は、まったく違う。「自分たちは、天然自然に賢く生まれてついているから、アジア・アフリカ・中南米の人間が汗水たらして働いてもできないような生活を、遊び半分仕事半分で十分やってのける能力がある」という思い込みを疑うこともなかったのだ。彼らは、植民地利権の低下が当然惹き起こすはずの生活水準の低下を、すなおに自分たちの実力を示すものとしてうけいれなかった。(p23)
とか、そんな感じ。
イタリアでの個人的な体験も述べられていて、よっぽど頭にきてるのかもと思う。
ただ確かに、これだけ「グローバル化」とやらが進んだら、知識とか技術力とかの差がつきにくくなってくると思うので、収入や暮らしのレベルが世界の平均値あたりに集まっていくのは仕方がないだろう。
で、日本については、臆病で、上が無能だからこそ安定しているという。
識者とか、評論家とか呼ばれる無責任な連中は、海外との資本取引の少なさを、日本人の勇気や想像力の欠如の証拠ででもあるかのように言い立てて、「もっと投資を増やせ。国内ばかりじゃなく、海外にも投資せよ。海外からの投資も呼びこめ」と主張しつづけてきた。勇気や想像力のあることを示すために大損するのと、臆病とか想像力がないとか言われてもきちんと資産を守るのとどちらがいいか。結論は明らかだろう。(p21-22)
上が有能というのは、一部の「知的エリート」だけが稼げる形が維持されることだ。
今読んでいる本には、アメリカではその一部の人たちがどれだけお金を持っているかということが書かれている。
僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか 各国「若者の絶望」の現場を歩く
- 作者: リヴァ・フロイモビッチ,山田美明
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2014/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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エマニュエル・サエズらによる最新の調査によると、二〇一二年には、所得者の上位10%(年収11万4000ドル以上)が、アメリカ全体の所得の半分以上を手にしている。過去最高の割合である。また、所得者の上位1%が、アメリカ全体の所得の五分の一以上を受け取っている。これもまた、世界恐慌以来最高の値である。さらに、この上位1%が高額所得を維持する確率は、一九七〇年代以来ほとんど変わっていない。
この上位1%とかが政治とか経済とかそういう社会を動かしているので、動かないのは当たり前か。
また、
ピュー慈善財団が行った最近の調査によれば、アメリカの所得者の下位20%に属する家庭に生まれた人の70%は、中流階級にはい上がることができない。
財団は、アメリカの家庭の40%が三週間分の収入に匹敵する貯金さえないと述べ
ともある。
で、元の本に戻る。
この本では日本の高齢化についても、わりと肯定的な見方をしている。
「若年層人口が多いときのほうが経済成長率は高い」という議論は、貴重な資源としてなるべくすくない量を有効に使うべき労働力を、なるべく安く大量に使いたいという、雇う側の理論、それも凡庸な経営者の論理丸出しだ。
高齢者人口の多い国というのは、人生をフル稼働した人が多い国ということだ。逆に、高齢者が少なく、若年層人口が多い国というのは、乳幼児で間引かれ、青年期で間引かれ、壮年期で間引かれといった具合に、天寿をまっとうできない人が多い国だ。どちらのほうが経済効率がいいかは、わかりきっている。
さらに、どんなものでも、量が少なければ貴重だということで大事に使われるし、量が多いものはぞんざいに扱われる。これは、いま先進諸国でも最速の高齢化真っ最中の日本で現実に起きていることだ。日本は一般論として失業率が低いだけではなく、章しかで希少価値の高まっている若年層の失業率が、欧米諸国と比べて圧倒的に低い。(p85-86)
そして、日本の悲観的な報道については、”日本ダメダメ教”に洗脳された老害知識人の繰り言とばっさり。
本書を全面的に支持するかどうかはもう少し知識をつけてからにしたいが、日本のことが好きな私としては、こういう本は読んでて嬉しい。
最後に、この本のタイトルになっている、「資産を守るためにいちばん大切なこと」が何かというのは、本を読んで頂きたい。
ネタバレは好かれないと思うのでここは濁しておくが、こういう本を読んでみるのも楽しいのだなぁと、改めて読書の楽しみをかみ締めたのであります。
同じ著者の他の本も読んでみるかなー。
99%の国民が泣きを見る アベノミクスで貧乏くじを引かないたった一つの方法
- 作者: 増田悦佐
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2014/01/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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20140611追記
あと、悲観論の本も読んだので、あまり面白くないけど紹介。
日本の問題としているのは、
・産業の空洞化(一度工場が海外に移転しちゃうと国内に戻ってくるのは無理、不可逆)
・デフレからインフレ、円高から円安というようなあれこれで大変
・高齢化・設備資本の老朽化(工場とか新しく建たないなど)・技術革新の低下などで供給力が下がること
で、再生には何が必要かというと、
・供給力を低下させない為には、高齢化に対しては「外国人労働者の在留資格制限の緩和」「女性の労働参加率向上」、設備資本ストックの老朽化については「円高圧力への対抗」「海外に移転しないように法人税減税の実施」「公共インフラの拡充」、技術革新力については空洞化が阻止できれば、国内に技術者が留まるというのがメイン。
もう、お金を持ってる人に自動的にお金が集まる仕組み(貸したら利子がつくし、投資すれば利益がある)になってるんだから、「お金」から卒業するしかないのかもしれない。
これだけ家電に囲まれながら書くのもなんだが、アーミッシュの暮らしを見習うしかない。
生活
アーミッシュは移民当時の生活様式を守るため電気を使用せず、現代の一般的な通信機器(電話など)も家庭内にはない。原則として現代の技術による機器を生活に導入することを拒み、近代以前と同様の生活様式を基本に農耕や牧畜を行い自給自足の生活を営んでいる[5]。自分たちの信仰生活に反すると判断した新しい技術・製品・考え方は拒否するのである。一部では観光客向け商品の販売などが行われている(アーミッシュの周辺に住む一般人が、アーミッシュのキルトや蜂蜜などを販売したり、アーミッシュのバギーを用いて観光客を有料で乗せたりする例もある)。
基本的に大家族主義であり、ひとつのコミュニティは深く互助的な関係で結ばれている。新しい家を建てるときには親戚・隣近所が集まって取り組む。服装は極めて質素。子供は多少色のあるものを着るが、成人は決められた色のものしか着ない。洗濯物を見ればその家の住人がアーミッシュかどうかわかる。
アーミッシュの日常生活では近代以前の伝統的な技術しか使わない。そのため、自動車は運転しない。商用電源は使用せず、わずかに、風車、水車によって蓄電池に充電した電気を利用する程度である。移動手段は馬車によっているものの[5]、ウィンカーをつけることが法規上義務付けられているため、充電した蓄電池を利用しているとされる[6]。しかし、メノナイトは自動車運転免許を持つことが許されており、家電製品も使用している。
アーミッシュは現代文明を完全に否定しているわけではなく、自らのアイデンティティを喪失しないかどうか慎重に検討したうえで必要なものだけを導入しているのである[7]。
でも、ネット環境がないと生きていけないでござる。
“シンプル”という贈りもの―アーミシュの暮らしから (クロニクル・ブックス)
- 作者: ビルコールマン,Bill Coleman,青山南
- 出版社/メーカー: フレックス・ファーム
- 発売日: 2002/04
- メディア: 大型本
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中学生・高校生の為の弁論大会の書き方とテーマ
20140607追記
大雨だったので、濡れた教科書の乾かし方を貼っておく。
ページがくっつかないように扇風機などで乾かして、紙を挟んでおもしを載せる。
アイロンも可。
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このクソみたいなアフェリエイトブログにたくさんの学生がアクセスしているらしい。
検索キーワードが「弁論大会」でものすごく伸びている。
アフェリエイトブログなので購買力のない学生がたくさんアクセスしてくれても残念なのだが、せっかくアクセスしてくれているので、続けて弁論大会に関する記事を書く。
尊敬できない教師と、面白みのない授業と、意味のわからない同級生に囲まれて義務教育を受けている中学生には同情を禁じえない。
そして、論文の書き方も教えないで弁論大会の論文を書けと言ったり、読書の仕方も教えないで本を読めと指導する教育には甚だ疑問を感じる。
とりあえずアフェリエイトブログなので、お勧めの本を貼っておく。
年に100冊単位で読書をしているので、私が積極的に勧めるのは7割くらいの人が面白く読める本だと多少は信じてもらえると思う。
この人の本はシリーズものもあって、おすすめ。若い人向き。
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さて、本題の論文の書き方とテーマについて。
おおまかには、すでに書いた記事を参照して頂きたい。
テーマについて、よりオリジナルなものを探す為の方法を書く。
- 図書館に行く。学校のではなく、区や市の図書館が良い。
- 片っ端から本のタイトル=背表紙を読んでいく。
- 気になったタイトルから発想する。
これでオリジナルな、面白いテーマを見つけることができる。
読書の仕方にも通じるが、まずは世の中にどんな本があるか知ることは、世界を広げる為にすごく重要なことである。
なんで図書館かというと、中高生が普段目にする本の大部分は、「中高生向き」と誰かが認定した本であることが多いからだ。
どういうことかというと、中学や高校の図書館は、学生が読むのにふさわしい、あるいは「お前らこういう本が好きだろう」と、教育者的な人が思った本が並んでいるし、本屋も基本的に「売れる本」をメインに置いて、かつ行くのは大抵コミックスやYA(ヤングアダルト≒主にティーン(英語で語尾に-teenのつく13歳から19歳までの若者)向け)コーナーだろうから。
その点図書館は、完璧ではないものの、わりとマイナーなジャンルまで取り扱っており、しかも偏った思想とか変な嗜好とかの本も扱っていたりする。
しかも、図書館は基本的に貸し出しの記録を、貸している期間以外は残さないようにしていたり、あるいは誰にどんな本を貸したかを公的な権力に公開したりとかしないようにしている。
思想狩りとかそういうのを防止する為に。
図書館の自由に関する宣言
図書館の自由に関する宣言(抄)[1] 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
図書館かっこいい。
図書館戦争(アニメ)もわりと楽しい。
どれくらい自由かというと、下記のサイトでいろんな場所の図書館の蔵書が調べられるので、いくつか微妙な単語で検索してみるといい。
ex.エロ系なら「宋美玄」、「団鬼六」など。
普通に「ダメ教師」「バカ」とかでもいい。
※ex.はexample(例)の略だが、これは日本語英語で、フォーマルにはe.g.(for example)だそうです。
ちなみにexはex-boyfried(元彼)とかで使う。
さて、背表紙(タイトル)の読み方である。
別に難しいことはなくて、単に片っ端からタイトルを読んでいくだけである。
広い図書館だと結構時間がかかるが、まぁ仕方がない。
小説や絵本はおいといて、それ以外の棚をまずはざっと読んでいく。
分類はものすごくたくさんあるが、一部Wikipediaから引用。
日本十進分類法
- 00 総記
- 10 哲学
- 11 哲学各論
- 12 東洋思想
- 13 西洋哲学
- 14 心理学
- 15 倫理学、道徳
- 16 宗教
- 20 歴史
- 29 地理、地誌、紀行
- 30 社会科学
- 40 自然科学
- 41 数学
- 42 物理学
- 43 化学
- 44 天文学、宇宙科学
- 45 地球科学、地学
- 46 生物科学、一般生物学
- 47 植物学
- 48 動物学
- 49 医学、薬学
- 50 技術、工学
- 59 家政学、生活科学
- 60 産業
- 70 芸術、美術
- 71 彫刻
- 72 絵画、書道
- 73 版画
- 74 写真、印刷
- 75 工芸
- 76 音楽、舞踊
- 77 演劇、映画
- 78 スポーツ、体育
- 79 諸芸、娯楽
- 80 言語
- 81 日本語
- 82 中国語、その他の東洋の諸言語
- 83 英語
- 84 ドイツ語
- 85 フランス語
- 86 スペイン語
- 87 イタリア語
- 88 ロシア語
- 89 その他の諸言語
- 90 文学
タイトルというのは内容を示しているだけでなく、売る為に、読みたいと思わせるようにつけられているし、どういう読者層を想定しているかもわかるようになっていることも多い(「よくわかる」などの入門解説本、ゴシップ的なタイトルなど)。
そしてこれらをたくさん見ることで、そのジャンルで何が問題になっているのか、どういうことが多くの人に関心を持たれているのががわかる。
そしてその中で、表紙を見たり、目次を見たり、概要を読んだりして、気になるものがあれば、それがあなたの関心のある/面白いと思うジャンル/問題である。
注意が必要なのは、その本がいつ出版されたものか。
古い本だと、今では否定されているものや、古すぎるデータが載っている可能性がある。
また、同じジャンル、似たようなタイトルの本も斜め読みや目次読みで良いので、召を通しておくことも重要だ。
なにせ、図書館には似非科学本も偏った本もたくさんあるので。
同じ論調の本があれば、ある程度メジャーな情報であると判断しやすい。
あまり本を読まない人の中には、「活字になっている」ということだけで、なんとなく権威付けされているような感じをもってしまう人もいる。
が、わりとそんなことはなくて、間違いや偏見もたくさん書かれているので、ちょっと斜に構えて読むくらいで良い。
(純粋に楽しむ為だけの読書をする時は、別にそんなことを気にする必要はない)
で、弁論大会のテーマである。
この為に、何冊も本を読み込む必要はなく、なんとなくめくって目次と概要と、あとは図や絵なんかを拾い見していって、そこから自分で適当に書けば良いのである。
もともと求められているのは「自分の体験や関心ごと」であって、調査したものを書くようなものではないからだ。
テーマについてはこれで終わり。
--------------------
10140706追記 テーマとして取上げられる話題について記事を追加
集団的自衛権は、すぐに徴兵制や戦争に結びつくものではない - pinktrunksの日記
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心理とか人生訓とかのあたりの棚を見ると、たくさん本があって、みんな悩んでんなーと思う。
いないと思うけど、実行した人がいたらコメントに感想書いて下さい。よろしく。
あと世界史にヘタリア、マジおすすめ。
土地を相続する人が読むべき本「日本、買います」平野秀樹
なんとなく相続したり、ちょっといい値段で売れそうだからって適当に売ってはいけないという本。
あと、普通に土地を所有している人も読むべき。
巧妙に隠されたり、あるいは複雑な関係があったりして、単に買い手が外資っぽいかどうかだけでは判断できない。
また、外資による日本の国土買占めだけではなく、ずっと固定資産税を負担していたのに、土地の所有に関する裁判で敗訴しちゃった例もあげられている。
不動産関係の金融をしている知人から「中国人が沢山日本の不動産買ってるよ」という話は聞いていたが、やっぱり本気で心配している人もいるようだ。
地籍やら土地の登記簿やら、地籍調査など、私は土地を所有したことないので、全然知識がなかったが、こういうキーワードに引っかかる人は、ぜひ読んで欲しい。
ちなみに、全他的に煽り調子なので信憑性とかなんとかは各自お調べ下さい。
また2012年発行の本なので、最新の状況についても要確認。
目次の立ち読みをどうぞ。
目次
序章 狼は一度やってきたらおしまいだ
小松左京の慧眼/氷山の一角/買い戻せない……/横たわる深い闇
第一章 幽霊地主
不明ベストテンの素性
幽霊地主を追う/登記簿にないから追えない
外国は公図買いする
国際登記集団gambling speculator
手招きする人たち/国内法に則り占有しました/日本ルールなら可能でしょう
グローバル化の死角
幽霊地主が豹変するとき
時計の針は戻せない……/土地売りは「輸出産業」です
第二章 不明という深い闇
大阪の九二%、東京の七九%は地籍なし
幸せな集団錯覚/眠る二億筆の地雷/地籍はなぜ不明なままか?
あなたの隣人が幽霊地主だったら……
最も精神的につらい時に/地籍がないのに銀行融資
「フェンス張られたけど……」
悲劇はこうして起きた――登記簿の闇/ここらは皆、こんなもんですよ/日向みかんと大たこ論争
懲りない不作為はつづく
前のめりの進捗率――地籍調査の闇/虚しい仕事――売買届出の闇/緩々で好き勝手――行為規制の闇/匿名化加速――ネットオークションの闇
なぜ徴税率は九割超なのか?
不納欠損処理の闇/外国まで追えません
寄るべのない土地
第三章 地図から日本が消える日
沖縄、売ります
青い目が去って黒い眼がくる/無人島も軍用地も販売中/本土の対応とは正反対/もう舵は切られている
消滅集落も買い占められていく
なぜ農地を買い進めるのか/興味があるのは水と土地だ
綻びはじめた国境
奄美の山求む!/五島列島開拓計画
極東の弾薬庫
重要国土の流出/基地の臍が……/無人島のルーツ/影絵の主たち
水際を手放していく日本
荒唐無稽な線引き論/パラセル・プロセス
[column]幕末ガルトネル事件――寸土も外国人に渡さない
国土の切り売りが阻止できた理由
ミコノス島/アルプス山頂/アイスランド/規制強化が世界トレンド
世界の土地売買事情
外国人でも買える国、買えない国/独仏はフリー?/国境・海岸部の外資規制
アメリカには「備え」がある
各州法/連邦法/国際法:GATS
日本だけが丸腰
済州島は買えない/山・海・島が同じ課題を抱えている/認識ある過失/せめて外国並みに
[column] banking(貯蓄)
第五章 消えていく日本の国土
グローバル化のその先――三つの盲点
利害の不一致/コミュニケーション不通/徴税できない
国土と銀行
開国TPP本格化の前に急ぐべきこと/すべての事象が国境を越えない/負の遺産を先送りしてはならない
日本を消さない
【政策提言】迎え入れる作法を整えよ
国家安全保障土地法/所有者不明土地対策法/条例等による地域ガバナンス力の強化
あとがき――羊の居場所