土地を相続する人が読むべき本「日本、買います」平野秀樹
なんとなく相続したり、ちょっといい値段で売れそうだからって適当に売ってはいけないという本。
あと、普通に土地を所有している人も読むべき。
巧妙に隠されたり、あるいは複雑な関係があったりして、単に買い手が外資っぽいかどうかだけでは判断できない。
また、外資による日本の国土買占めだけではなく、ずっと固定資産税を負担していたのに、土地の所有に関する裁判で敗訴しちゃった例もあげられている。
不動産関係の金融をしている知人から「中国人が沢山日本の不動産買ってるよ」という話は聞いていたが、やっぱり本気で心配している人もいるようだ。
地籍やら土地の登記簿やら、地籍調査など、私は土地を所有したことないので、全然知識がなかったが、こういうキーワードに引っかかる人は、ぜひ読んで欲しい。
ちなみに、全他的に煽り調子なので信憑性とかなんとかは各自お調べ下さい。
また2012年発行の本なので、最新の状況についても要確認。
目次の立ち読みをどうぞ。
目次
序章 狼は一度やってきたらおしまいだ
小松左京の慧眼/氷山の一角/買い戻せない……/横たわる深い闇
第一章 幽霊地主
不明ベストテンの素性
幽霊地主を追う/登記簿にないから追えない
外国は公図買いする
国際登記集団gambling speculator
手招きする人たち/国内法に則り占有しました/日本ルールなら可能でしょう
グローバル化の死角
幽霊地主が豹変するとき
時計の針は戻せない……/土地売りは「輸出産業」です
第二章 不明という深い闇
大阪の九二%、東京の七九%は地籍なし
幸せな集団錯覚/眠る二億筆の地雷/地籍はなぜ不明なままか?
あなたの隣人が幽霊地主だったら……
最も精神的につらい時に/地籍がないのに銀行融資
「フェンス張られたけど……」
悲劇はこうして起きた――登記簿の闇/ここらは皆、こんなもんですよ/日向みかんと大たこ論争
懲りない不作為はつづく
前のめりの進捗率――地籍調査の闇/虚しい仕事――売買届出の闇/緩々で好き勝手――行為規制の闇/匿名化加速――ネットオークションの闇
なぜ徴税率は九割超なのか?
不納欠損処理の闇/外国まで追えません
寄るべのない土地
第三章 地図から日本が消える日
沖縄、売ります
青い目が去って黒い眼がくる/無人島も軍用地も販売中/本土の対応とは正反対/もう舵は切られている
消滅集落も買い占められていく
なぜ農地を買い進めるのか/興味があるのは水と土地だ
綻びはじめた国境
奄美の山求む!/五島列島開拓計画
極東の弾薬庫
重要国土の流出/基地の臍が……/無人島のルーツ/影絵の主たち
水際を手放していく日本
荒唐無稽な線引き論/パラセル・プロセス
[column]幕末ガルトネル事件――寸土も外国人に渡さない
国土の切り売りが阻止できた理由
ミコノス島/アルプス山頂/アイスランド/規制強化が世界トレンド
世界の土地売買事情
外国人でも買える国、買えない国/独仏はフリー?/国境・海岸部の外資規制
アメリカには「備え」がある
各州法/連邦法/国際法:GATS
日本だけが丸腰
済州島は買えない/山・海・島が同じ課題を抱えている/認識ある過失/せめて外国並みに
[column] banking(貯蓄)
第五章 消えていく日本の国土
グローバル化のその先――三つの盲点
利害の不一致/コミュニケーション不通/徴税できない
国土と銀行
開国TPP本格化の前に急ぐべきこと/すべての事象が国境を越えない/負の遺産を先送りしてはならない
日本を消さない
【政策提言】迎え入れる作法を整えよ
国家安全保障土地法/所有者不明土地対策法/条例等による地域ガバナンス力の強化
あとがき――羊の居場所